モンブランのスターウォーカーのレッドゴールドメタルの使い方に悩む

全国のモンブラン筆記具ファンの皆さん、こんにちは。

いつもは標準品ばかり紹介している私ですけど、珍しくスターウォーカーのレッドゴールドメタルという高級ボールペンを入手しました。

45gという重さに興味を持ったのが原因なんですけど、モンブランゆえに完成度が高いことが災いして、使い道に悩んでいます。

なんというか筆記具ユーザからすると、「ただの重いボールペン」なのです。

さて今回は憧れる人も多いスターウォーカーシリーズの中で、幻のようなレッドゴールドメタルの紹介をさせて頂くことにします。

さすがスターウォーカーの最高峰

モンブランのスターウォーカーは、デザインに優れたツイスト式(回転式)ボールペンです。太軸で扱いやすく、あちこちで利用者と遭遇します。医者、会社のお偉いさん、若手営業担当者などで、全員男性です。

ボールペン先端が太くなっており、重心が前寄りに設定されています。このために昨今の鉛筆慣れしていないユーザでも快適に利用できます。2003年に販売開始されてから、あっという間にモンブラン主力筆記具の一つになっています。

レッドゴールドメタルは、そんなスターウォーカー・シリーズの中でも最高峰モデルに位置付けられる高級ボールペンです。

モンブランのスターウォーカー限定版

カタログがないので分かりませんけど、モンブランの14金クラシックセンチュリーと同じ色です。レッドゴールドメタルにも、14金の塗装が採用されていますね。

ちなみにクラシックセンチュリーだと14金を「ピンクゴールド」と呼びますけど、モンブランだと「レッドゴールド」と呼ぶらしいです。筆記具メーカーによって呼び方が違うのも、なかなか興味深いです。

スターウォーカーとシグノ307

ご覧のように、ペン先の口金までゴールドになっています。思わずボールペンの替芯(リフィル)でもゴールド色を採用したいところです。

いや、その気になれば不可能ではありません。私の知り合いでは、黄土色や茶色の油性マジック(ハイマッキー等)で替芯先端を塗っている人も存在します。

できればモンブランには、ここら辺まで徹底した替芯を販売して頂きたいところです。ちなみに節約派の方には、Bic社のゴールド替芯を改造して使ってしまうという方法もあります。(今の私はジェットストリーム0.28mmです)

スターウォーカー本体

なお本体部分にもレッドゴールド(14金)を強調するために模様が入っています。子供には「はっきりいってお父さんのボールペンの中で一番カッコ悪い!」と言われていますが、個人的には気に入っています。

長所が短所と化す

さてデザイン的には非の打ちどころがない高級ボールペンだと言えますが、実はこのレッドゴールドメタルには幾つかの短所が存在します。

(1)傷つきやすい

よく見て頂くと分かるのですけど、実はこのレッドゴールドメタルは相当くたびれています。日用品として使用すると、数年で溝部分への衝突がダメージとして残ります。

このあたりは正直言って、標準品のスターウォーカーの方が良いです。黒いレジン樹脂は傷つきにくいし、傷も「愛用品」を示す風格の一部となります。その点で “ゴールド” は完璧でないと、面白くありませんね。

技術者がリペアしようにも溝の中が14金なので、元通りにするのも大変でしょう。ここら辺は14金ボールペンを主力製品として扱えるクロスが流石です。

(2)独自部品の限定品

なんだか間違いさがしクイズみたいですけど、標準品とレッドゴールドメタルの違いが分かりますでしょうか。

はい、接続部のネジが先端側なのか本体側なのかで異なります。そういえば、替芯(リフィル)の後端にプラスチック部品が付いて来たことがあります。

果たしてこれがレッドゴールドメタル特有な部品なのか、それとも標準品と同じ部品なのかは不明です。ただしいずれにしても、今まで使って来た4本のスターウォーカーでは、このように部品が替芯に引っ付いて取り出されてしまうことはありませんでした。

なかなか珍しい現象です。それにしても限定版向けの独自部品であれば、部品在庫にも限りがあるでしょう。そこら辺の状況には少々、不安が残るところです。

45gの効果

さて私がレッドゴールドメタルを手に入れたいと思った最大の動機は、この45gという “重さ” です。一体どうしてこのように重いボールペンが製造されて、一体誰が使うのかに興味がありました。

で、試してみて分かったのは、これは筆記具ユーザー向けではないということです。

重心のある位置は、標準品のスターウォーカーと同じです。だから思ったようにボールペンを動かすことが出来ます。重量が45gであるために重みが感じられる以外、特に変わったところはありません。「ただの重いスターウォーカー」です。

重いボールペンを紹介する人の中には、「ボールペンの重みで文字を自然に書ける」という人がいますが、そんなことはスターウォーカーからは全く感じられません。それに縦方向にかける力など、私のように筆圧が弱い人間でさえ困ることはありません。

それよりも問題は横方向で、これはボールペンの重さなど関係ありません。それにモンブランのジャイアントリフィル(替芯)のインクで、横方向の動きに不満な人はどれだけ存在するのでしょうか?

(まあ私は筆圧弱いこともあって、最近はモンブランでも低粘度インクのジェットストリームを使っていますけど)

それに私はしばらくレッドゴールドメタルを使ってみましたけど、別に標準品のスターウォーカーよりも字がキレイに書けるということは一切ありませんでした。メモを読み直しても、どちらを使ったかという識別は不可能でした。書き心地が良いという感覚も無かったです。

こうやって実際に使ってみると、あとに残るは「重さからやる気が出る」という意見でしょうか。これに関しては、実は「その通りかな」と思いました。

単に実用性だけを求めるならば、わざわざ高級ボールペンなど使う必要はないです。高級ボールペンだと造りがしっかりしているという人もいますけど、どこがどのように “しっかりしている” かを具体的に説明して欲しいものです。

私も世界の名だたる筆記具メーカーのボールペンを使って来ましたけど、材料費など大したことは無いと分かりました。おまけに雑な仕上げりであるために口金と替芯の遊びがあり過ぎる製品が多いです。

それを調整して使い勝手良くするのが、筆記具ユーザーの楽しみになる程です。ここら辺はネットで検索すると、山ほど実ユーザの事例に遭遇します。

さすがにマイスターシュテュックやスターウォーカーは、替芯がグラついてカタカタと音を立てるようなことはありませんけ。しかし材料は特別なものでなく、クリップ部分など薄い金属を曲げただけです。ペン先の口金だって、カタカタと音を立てないような機構を装備している訳ではありません。

なお30年以上も使った私のマイスターシュテュックは、口金部分がカタカタと音を立てます。これはモンブランに限ったことではないことで、透明マニキュアを塗ったり、セロテープの切れ端を貼り付ける方法が考案されています。

(使う人は、金属がすり減るくらい使い込む、と)

で、話を戻すと、ボロボロでくたびれている私のマイスターシュテュックですけど、いろいろな場面で活躍してくれた戦友です。今もどんな時でも、私のために頑張ってくれます。

まさにボールペンが「汝が命運尽きる時まで、我は汝のために力を貸そう」と語りかけてくれるような感じです。これと同じ感覚を「重いボールペン」から得ることが出来るのだと言われると、なるほど尤もだと頷いてしまいます。

たかがボールペンですけど、書きながら考えをまとめるというのは大切な知的活動です。その効率が少しでもアップするならば、どんな手段でも使うのがプロというものでしょう。

「重くて長時間使えそうにないけど、それでも重いボールペンを使うということで集中力がアップする。だから重いボールペンが好きなんですよ」

… なるほど、その通りだなあと頷いてしまいます。(私の場合は「重さ」で集中力アップしませんけど、まあそうかな、と)

まとめ

以上のような次第で、スターウォーカーのレッドゴールドメタル(45g)は筆記具の知識を深めるには役だったものの、仕事の効率を上げるツールとしては全く役立たないと分かりました。

(ただし標準品のスターウォーカーと同じくシグノ307水性インクなどは気軽に利用できるので、その点は嬉しいです)

今回分かったのは、モンブランのスターウォーカーは標準品で十分に満足できるということでしょうか。

そういえば2019年には透明ドームに青色をかけるとかマイナーチェンジを実施していますけど、そういうことが出来るのもスターウォーカーの魅力の一つでしょうか。

それにレッドゴールドメタルと同じく46gを誇るラバーメタルでは、コンクリート路面に落としたペン先の口金部分から折れてしまったケースがあるのだそうです。

私は標準品のスターウォーカーを落としたことが何度もありますけど、さすがにそんなことはありませんでした。45gとか46gというのは、流石に落下時には影響大きいというところでしょうか。

そんな訳で、これからも今まで通りのラインナップで仕事をしていくことになりそうです。

それでは今回は、この辺で。ではまた。

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記事作成:四葉静