雑記

実は本当:「これからはサーバ増強の時代じゃないんです」

親父の写真

何やらクラウドがIT関係者のみならず、世間の脚光を浴びているようです。

たしかに一般論としては、もはや単純にサーバ増強すれば良いというものではありません。

しかし現在負荷がかかって増強必要となっているITシステムに対して、サーバ増強以外の対応策を提案するのは難しいです。

https://yotsubasei.com/?p=135/

だからといって大人しく諦めていては、世の中を良くすることや技術革新は実現困難です。

ここは無理を承知で、内閣府に派遣されている同業者を相手に想定して、改善案を考えてみることにします。

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ハイブリッド・クラウド

現状分析

この総務省のデータから分かるように、殆ど全ての大手ITベンダが内閣府だけでなくて各省庁へ人材派遣しています。

そういった者まで含めた関係者たちが出した結論が、どうやら「サーバ増強」のようです。現状では、鉄板のように典型的な “三階層クライアント・サーバ型システム” を採用していると考えるのが良さそうです。

わざわざ “サーバ” と言っているのは、正しくはサーバマシンのことを意味しているのでしょう。ちなみにクラウドなどで目にする VM は、Virtual Machine(仮想マシン)の略称です。クライアントとサーバの双方が対象となります。

ちなみに当ブログの場合、図中のWebサーバ部分(1台)にデータベース(DB)も収納しています。今回はECシステムのように重要&ユーザデータを保管するため、複数台のWebサーバとDBサーバで構成されています。

これは普通に考えると、システム増強にはWebサーバやDBサーバを増やすのが効率良いとの結論になります。ただしその場合でも、一旦システムを停止させ、ネットワーク回路の配線を変更し、各マシンの設定変更をすることが必要です。

増設パターン

さて世の中のシステムは、現在は4つに分類することが出来ます。「クラウド」と「そうでないもの」です。そしてシステムの管理元(企業であれば企業内)に設置されているかどうかで、プライベート/パブリックやオン/オフ・プレミスに分類されます。

  • パブリック・クラウド
  • プライベート・クラウド
  • オフ・プレミス
  • オン・プレミス

たとえば町工場の中に設置された給与計算マシンはオン・プレミスです。それを当ブログのようにレンタルサーバを利用したり、データセンタ業者の貸出するデータセンタ内に設置する場合はオフ・プレミスとなります。

そしてクラウドにしても、かつてCIAが省内にAmazon AWSを設置して貰った話を聞いたことがあります。それに別にAmazonやMicrosoftへ依頼しなくても、自分たちで独自クラウドを構築するという方法があります。

基本的に稼働中のITシステムに殆ど手を加えずに済むかは定かではありませんが、処理能力の増強には上記4パターンが考えられます。

ちなみに既存システムの増強をプライベート・クラウドで実施した例は聞いたことありませんが、新規のプライベート・クラウド導入は成長市場です。これは調査会社IDCの日本支社であるIDC Japanが発表しています。

まあ現在のシステムがクライアント/サーバシステムであるので、たとえクラウドにしても仮想マシン(VM)で動作させる「仮想サーバ」は必要になります。

しかし「クラウドで使用されるのはマシンであってサーバではないので、あくまで物理サーバの話だ」と言いきれば、まあ許せなくもないでしょう。

それよりも大切なのは、プライベートクラウドを導入する意味です。どうしてわざわざプライベートクラウドを導入するのかというと、クラウド上で仮想サーバを構築すれば、今回のような増設や運用が楽になるからです。

(ただし物理マシンやネットワーク管理者の負担は増えるので、そんなに劇的に変わる訳ではありません。しかし大企業や官公庁のように大規模な組織では、数パーセントの節約が絶対金額では大きな節約となります)

ハイブリッド・クラウド

さて先ほどの4つのパターンの幾つかを複合的に利用するシステムは、どういう訳かIT業界では「ハイブリッド・クラウド」と呼ばれています。

(例外もあります。大手ITベンダのHPEでは “Hybrid IT” と呼んでいます)

そして次世代技術として期待されているものに、「サーバレス・コンピューティング」 というものがあります。これはマシン(VMやコンテナも含む)の上で直接WebやDBプログラムを実行するのではなく、API(アプリケーション・プログラム・インタフェース)を利用してプログラムを組みます。

もしかするといつの日か、世の中から「サーバ」という概念が消えるかもしれません。実に夢のある話です。

話を元へ戻しましょう。

今回の課題はサーバが存在する稼働中システムなので、「どこまで手間をかけずに短期間で、既存サーバと同じサーバを仮想マシン上に構築できるか?」と、「どこまで手間をかけずに短期間で、プライベートクラウドを構築できるか」です。

これは私が聞いている限りでは、「経験則的な見通しではサーバ増設が ”安い・早い・増設効果良い”」です。

ただし可能性はごく僅かですが、プライベートクラウドを納品する業者(例えばVMwareなど)が魔法のような支援ツールを開発しているかもしれません。(正常に動作するという保証なしで)

下手をすると某大手銀行システムのように大事件に発展する可能性もありますが、「ともかくトライ」という勇気ある選択枝もあるかもしれません。

HCI

さて今回は「サーバ」が話題になっていますが、実はITシステムには「ストレージ」が存在します。大量のデータを1台のサーバに保存するのは無理なので、外部接続型のディスク(ストレージ)を採用する訳です。

つまりITシステムにはハードウェアとして、ネットワーク、サーバ、ストレージの3種類が存在する訳です。それを結線&設定して利用するので、機器を設置するだけで一苦労だったりします。

(電源設備や空調装置も必要となり、「データセンタ」なる設備(建物)を構築する訳です。データセンタは発電所の近くや寒いところが人気設置スポットだったりします)

この苦労を取り除くため、最近はHCI (Hyper Converged Infrastructure) の売上が伸びています。2010年頃にHCI市場を開拓したNutanixのソフトウェアを使用したHCIは、IBM・HPE・Dell・NEC・Lvenovo・富士通・日立などの大手ITベンダが軒並み販売しています。

これは最初から幾つかの構成に絞っているから、お手軽に増設することが出来ます。IBMのメインフレームでやっていたような処理を引き受けるには向いていませんが、分散処理型のプログラムを実行する場合は大いに役立ちます。

ちなみにこれもサーバとストレージが合体しているため、物理サーバという概念は存在しません。だから「サーバ増設でない!」と言い切ることも可能かもしれません。

まだまだ本格的な基幹システムへの導入例はないので、未知な部分があります。それを正確に評価することが出来れば、採用を考えても良いかもしれません。

(もちろん冒険をすることになるので実験費などが膨らみます。だから世間の導入例でノウハウ蓄積する方がコスト的に安くなります。問題はどこまで膨らみを抑えることが出来るかでしょう)

まとめ

以上がサーバ増設でない改善案です。

さすがに稼働中のオンプレミス・システムの増設をクラウドというのは、聞いた試しがありません。しかしいつか、容易に実現可能となる日が来るかもしれません… というか、IT技術者としては是非そのようにしたいものです。

それにしてもこうやって考えてみるだけで、やはりサーバ増設を提案して来た関係者たちは知識/経験豊富&判断力OKであることが察せられます。

そして今までの常識を新テクノロジーで覆そうという試みのひとつとして、IT業界では「ハイブリッド・クラウド」が最大のキーワードとなっています。(キーワード検索すると分かりますけど、「サーバレス・コンピューティング」も重要キーワードの一つです)

ただし今回は残念ながら「短期間で失敗は許されない & 税金は無駄遣いできない」なので、サーバ増設がベストになります。

それでは今回は、この辺で。ではまた。

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記事作成:四葉静