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クロスのキャップ式ボールペンATXの互換芯を作る方法

クロスの互換芯

今回もいつものように、クロスのATXというキャップ式ボールペンに、百均やコンビニで販売されているシグノやSARASAを互換芯として使えるという話題。

冒頭画像のように、工夫もヘチマもなくて、単純に「クロスの純正芯(セレクトチップ)のような形状に加工しましたよ」という話である。三菱鉛筆ジェットストリームの時にはご相談を頂くことも多かったが、これならば単純明快だろう。

ただひたすら、「削って、削って、削るべし」という話である。もちろん替え芯の種類によって、加工のしやすさという差は存在する。しかし手頃な価格だから、自分で試してみるのが一番かと思う。

今回は互換芯の話よりも、どうしてATXを題材として取り上げることにしたのか、そこら辺を語らせて頂くことにしたい。

どうしてATXなのか

猫の手も借りたいということで、会社で拡販責任者となった時、まず必要となったのが筆記具だった。いちおう顧客訪問して、何やら担当製品に関して、エラそうな講釈をたれる必要がある。

上手く行けば商談が進むし、ダメだった「サヨウナラ」である。拡販責任者というか、社内ベンチャー企業の社長みたいなものだ。注文が無ければ売上が立たないので、事業縮小となる。最悪は倒産… 部署解散である。

張り子の虎でも何でも構わない。手帳や筆記具にも拘るようになった。その最初に購入したのが、クロスのATXだ。セレクトチップ(ローラーボール)ではないけれども、快適に書くことができた。
価格も数千円と、手頃だった。

(クロスを選んだのは、親父がクロスのクラシックセンチュリーでクロームと呼ばれるモデルを譲ってくれたからだ)

それではどうしてクロスからモンブランへ宗旨替えしたかというと、当時のクロスは純正芯もイマイチだったのだ。書いているうちに、ペン先に「ダマ」とも呼ばれるインク溜まりが生じる。

これはどうやら僕が万年筆派であり、ペン先を寝かせるクセがあったので、ダマが生じやすくなっていたらしい。ともかくライバル会社のエース営業担当者を真似てモンブランにしたら、ダマに悩まされることは無くなった。

手頃に感じるのは僕だけではないようで、クロスとしては2000年頃に登場した新型モデルなのに、未だに販売が続いている。今回のATXも、格安価格で入手することが出来た。

クロスの互換芯

ATXが他モデルと比べて良いのは、画像のような流線形というスタイルにある。30g近い「重量級」だけれども、すんなりと胸ポケットに収まってくれる。胸ポケット型ペンケースでも、そんなに苦労しない。

ここまで収まりが良いのは、モンブランのローラーボール型ボールペンくらいである。

一方でクロスの方は、バイデン大統領とかトランプ大統領が使っていたセンチュリー2は良かったけれども、タウンゼントやクラシックセンチュリーは使いにくかった。
後端が円筒形になっているので、胸ポケットでは引っ掛かりやすいのだ。
他人が見ても目立つ。

ここら辺が動機となって、今回もローラーボール型のATXを入手してみたという訳だ。ちなみに冒頭画像を見て頂くと分かるように、ローラーボールの替え芯は相当長い。
だから胸ポケットへの収納などに困ってしまうことがあるのだ。

互換芯の作成と利用

さて高級ボールペンにシグノやSARASAだと寂しい気持ちに囚われるかもしれないけれども、ATXは「お手頃な入門用ボールペン」という位置付けである。
だからシグノやSARASAのような格安ゲルインクを使用しても、別に大して気にならない… 少なくとも、僕の場合は。

だから、みみっちいような気もするが、クロスに装着可能にする加工作業も苦にならない。

これがレミーのサファリやモンブランのジェネレーションだと、無加工で利用できるから超便利なのだけれども、滅多にやらない作業なので苦にならない。

それに入門用だと言ったけれども、ちゃんと見た目はビジネス用に利用可能なボールペンだ。クロスは利用者が多いことが原因なのか、ラッカー塗装が剥げる事例も多く聞く。そちらが少々気になるだけだ。
(実際に塗装の剥げたセンチュリー2も持っている。ちなみにダンヒルのサイドカーというボールペンでも、塗装剥げを経験している)

だから一生使うボールペンが欲しいという人には向かないけれども、まずは試してみたいという人には向いている。僕もATXの濃茶や濃紺の塗装は気に入っている。
「お客様の前で使っても、全く問題ない」と太鼓判も押せる。

それにボールペンというのは高級ボールペンだからといって、一生使えるとは限らない。

僕の1987年製モンブラン・マイスターシュテュックは、とうとう数か月前に本体軸が割れてしまった。今はセロテープを貼って、カバンの中で予備用となっている。

モンブランに限らず、アウロラも同様だ。ガッキーがTVドラマで使っていたイプシロンも、クリップ根元が割れてしまった。

稼働率こそ高かったものの、そんなに乱暴に使っていなかったので、残念だとしか言いようがない。

つまり「一生使えるボールペンが欲しい」と思っても、ビジネスツールとして利用する限り、一生使い続けるのは結構難しいのだ。

しめくくり

クロスの互換芯

以上の通りで、クロスのローラーボール(セレクトチップ)ボールペンでさえ、シグノやSARASA替え芯を、互換芯として利用することが出来る。

ただしもちろん、予算に余裕があれば、純正芯をオススメしたい。書き味は天下一品だ。

ちなみに現在では油性インクの改良も進み、クロスの油性ボールペンも侮ることは出来ない。僕が使っても、もうダマが生じるようなことは無い。

今の僕は廃盤となったクロスのエッジを使っているけれども、稀にATXを使うこともある。あまりペンを握ること無くなった者には、この太軸は扱いやすいのだ。

(それにラッカー塗装は、冬場の乾燥肌でも滑りにくいので使いやすい)

それでは今回は、この辺で。ではまた。

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 記事作成:小野谷静