パーフェクトペンシル伯爵コレクションが僕に向いていない理由

実のところ、僕はファーバーカステルのパーフェクトペンシル伯爵コレクションの使い手に向いていない。残念ながら、この事実は覆せない。

僕は腕力も握力も弱いので、重い筆記具を長時間に渡って継続利用することが出来ない。そしてここがポイントになるけれども、筆圧が極めて弱い。

だから万年筆やゲルインク/低粘度インクボールペンに向いているけれども、鉛筆のように削りカスを紙面に残す筆記具は得意でない。

しかしそんな僕でも三菱鉛筆ハイユニと伯爵コレクションの組み合わせだったら、それなりに快適に利用することが出来る。今回はこのあたりの使い勝手を、紹介させていただくことにする。

低筆圧の限界

そもそも何度も紹介しているように、僕は基本的に万年筆使いだ。学生の頃から数十年に渡って利用してきた。その根本的な理由は、シャープペンシルでは腕が疲労するという問題点がある。

たとえモンブランであっても、純正替え芯を装着した油性ボールペンでは、メモ用には使えない。あくまでも署名用などの短時間利用に限定される。だから低粘度インクの三菱鉛筆ジェットストリーム0.28mmなどを好むのだ。

しかしそんな僕でも、三菱鉛筆ハイユニだったらば基本的に問題はない。冒頭画像の下半分くらいは、本来の僕の筆圧で書いてみたものだ。画像でなくて本物だと若干薄い印象を受けるけれども、十分に判読することが出来る。

やっぱり三菱鉛筆ハイユニ硬度2Bは大したものだ。ノートが汚れないように芯が紙面に密着しやすい状態になるように工夫されているとのことで、薄い文字でも消えにくい。

もともとトンボ鉛筆などと比べた時の三菱鉛筆の得意分野が、硬度2Bあたりになっている。こういった三菱鉛筆の工夫のおかげで、筆圧の弱い小学生や僕でも助かっている。さすがは世界に誇る三菱鉛筆だ。

だからこそ、当初の僕はパーフェクトペンシルUFO補助軸を何本か調達した。だって先日もやらかしてしまったけれども、筆記具というのは紛失と表裏一体だ。

30gを超えるパーフェクトペンシル伯爵コレクションだって、ジャンパーのポケットに入れてしまったら、いつの間にか存在を忘れてしまう。おかげで先日は行方不明となった伯爵コレクションを探して、数時間を費やす事件が生じてしまった。

まさか自分で何度もチェックしたジャンパーのポケットに、二重底のようになって隠れていたとは気づかなかった。行方不明になった「金田一少年の事件簿」が、お嬢様のカバンの底下に隠れていたようなものだ。

ともかく、三菱鉛筆ハイユニは鉛筆本体さえあれば、筆圧の弱い僕でも使うことが出来る。ただし流石に伯爵コレクションだと、少し辛くなってくる。

なぜ伯爵コレクションか

さて2021年11月22日時点ではメイン筆記具となってしまっているパーフェクトペンシル伯爵コレクションだけれども、実は無理やり使っている。だから高級ボールペン軸を鉛筆ホルダー化した方が、快適だと感じたりする始末だ。

何しろ僕は筆圧が弱いので、他の人々と比べると鉛筆削りの頻度が低い。だから高級ボールペンを鉛筆ホルダーとしても、あまり困らない。パーフェクトペンシルUFO補助軸でも同じく快適だ。

むしろ問題となるのは、伯爵コレクションなのだ。これは先ほどコメントしたように、補助軸だけで30gを超える。たとえどんなに鉛筆本体が短くなっていても、このバランスの悪さは致命的だ。

モンブランの純正芯で油性ボールペンを使うのと同じで、短時間だったらば伯爵コレクションでも問題とならない。むしろ重さがプレッシャーとなって、集中力が研ぎ澄まされる。

しかし長時間になると、このバランスの悪さはカバーすることが難しくなってくる。こればかりは内蔵の鉛筆削り(シャープナー)を取り外したりしても、どうしようもない弱点である。

だからこそ、僕は最初のうちはパーフェクトペンシルUFO補助軸を何本も用意していたのだ。

(オークションサイトで販売されている中古品で我慢すれば、伯爵コレクションでもUFOでも価格的な大差はない。デザイン面でも、UFOが極端に劣っているということはない)

まとめ

と、いう訳で、やっぱり30g超の補助軸は実用性に欠けるため、長時間に及ぶメモ取りには不利な面がある。ただしアイディアを練る時には、素晴らしい相棒となってくれる。

重量バランスというのは筆記具には致命的に重要で、やはりそこを無視している伯爵コレクションには無理がある… 逆にそこを我慢して使い切るところに、ファーバーカステルのデザイン重視という美学があったりする。

ここら辺をちゃんと冷静に認識して、TPOに合わせて適切な運用を心掛けたいものである。伯爵コレクションは使っていて楽しいけれども、それだけに頼っていると、いざ行方不明になった時も致命的だ。

(行方不明になった時は、メンタル的にしんどかったですわ、ホント)

それでは今回は、この辺で。ではまた。

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記事作成:小野谷静