高級ボールペンが、アッサリとBic四色ボールペンに敗北した瞬間

こんにちは、ヒツジ執事です。

Yシャツの胸ポケットに常時装備しているモンブランのマイスターシュテュックに先日も助けて貰いましたが、その後で四色ボールペンにアッサリと敗北しました。

今回は一体何が起こったのかを紹介させて頂きたいと思います。

なお結論は過去に執筆した記事の通りで、「本人が満足している筆記具ならば、それがベスト」です。今回は、「改めてそれを実感する機会があった」という話です。

心強かったモンブラン

私の父親は82歳の誕生日である4/4、くも膜下出血で緊急手術を受けました。

本人は会話できる状況に無かったので、私が手術への同意書にサインしました。内容は、頭蓋骨の片側に穴を開けて血を取り出すというものでした。

その時には過去記事でも説明したように、いつもYシャツの胸ポケットに刺しているモンブランのマイスターシュテュックは大変頼もしかったです。

2回目の手術の同意書

残念ながら術後経過は期待した方向へは進まず、今度は反対側に穴を開けて、血を取り出すことになりました。

その時は病室で手続きを済ませることになったのですが、その際に看護師さんから渡されたのが、冒頭画像のビック(Bic)四色ボールペンです。

一見すると普通の四色ボールペンですが、良く見ると後端がリング状になっています。常に筆記具を身に付けている必要がある場合、ここに紐を通しておくと便利そうです。いかにも医療関係者が使いそうなボールペンではないでしょうか。

そしてこのボールペン、恐ろしく書き心地が良かったです。ビックリしました。

興味があったので調べてみたら、ダジャレでは無くて本当にBic(ビックリ?)ジャパンというメーカーの販売するボールペンだそうです。『【Bic】ビック 4色ボールペン0.7mm細字「オレンジ軸」』とのことでした。

ちなみにこのボールペンには、「PROモデル」が存在します。

こちらの商品の解説に目を通すと分かりますが、Bicはモンブランよりも歴史の古い世界的企業&製品です。思わず唸ってしまいました。

ビックのロングセラー商品。1970年代の発売より、フレンチテイストの変わらないデザインで世界中の人に愛されている。
黒ボディがクールな印象とインパクトを与えつつ、中央のオレンジのリングパーツがアクセントとなり上品な雰囲気を演出。
【BICの歩み】
■使い切りボールペンの先駆者ビック
1945年、マルセル・ビックはエドゥワール・ビュッファールとともに筆記具会社、BICをフランスに設立、共同経営をスタートさせる。
1888年にアメリカにてジョン=J.ルードによって発明されたボールペンは、ハンガリー人ラディスラス・ピロに引き継がれた。ボールペンに多大な可能性を予見したビックは、ピロの特許を買い取り、改良を続け、世界初の使い切りボールペン【ビック・クリスタル】を発売。“信頼できるボールペンを低価格で”キャッチフレーズに急速にビックブランドが浸透。
その後、1961年には今日でもロングセラーであるボールペン【ビック・オレンジ】が登場。1970年には多色ボールペンが誕生。

私が使わせて頂いた「ビック・オレンジ」は、なんと50年以上の歴史を持つ油性ボールペンなのだそうです。多色ボールペンは数百円程度のものが多いですが、その長い歴史には圧倒されてしまいました。

サインしやすい配置

感心させられたのは、ボールペンだけではありません。ボールペンの置かれた位置も適切でした。

手術への同意書なので、サインできるように私方向に紙がテーブル上に置かれたことは言うまでもありません。そしてボールペンは、サイン欄のすぐ近くに置かれました。

同意書の内容を読むのにも邪魔にならない場所ですし、そもそもすぐにサインすることが出来ます。実に行き届いた配慮です。

患者対応で慌ただしいのに、ここまで心配り出来るとは素晴らしい方だと感動さえしました。

歴戦の勇士

さて撮影する時に気付いたのは、大切に使われているようだけれども、無数の細かい傷が付いていた点です。大切に使っていても、稼働率が高いと仕方の無いことでしょう。

おそらく数えきれない程の方々が、このボールペンで同意書にサインをして来たことでしょう。患者の様子や日誌を書いたりする事務作業用にも使われていると思います。

ホテルでは従業員さんたちがモンブランのような高級ボールペンを使うように、医療現場ではこのようなボールペンが利用されているのでしょうか。

そのような感慨もあって、大変な状況なのにも拘わらず、思わずiPhoneでボールペンを撮影してしまった次第です。

ちなみにプラスチックの細かい傷は、研磨剤で磨くことが出来るようです。私自身では試したことがありませんが、万年筆を磨くのに利用する方も存在するのだそうです。

斎藤孝先生と前田裕二さん

四色(三色)ボールペンの使い手といえば、手帳術の世界では明治大学の斎藤孝先生と前田裕二さんが有名です。

彼らの使い方は、何を書き込むかに応じて、色を使い分けるのだそうです。単なる事実を記録するには黒色を使い、主観的なアイディアは緑いろ、客観的な分析は青色、重要事項は赤色といった具合に使用します。

まず枝葉末節な話ですけれども、私は前田さんと同じく赤色は「主観」になるかと思います。「重要」というのは人間の価値判断であり、主観を切り離すことが出来ないので。

そして最もポイントとなるのが、三色と四色の違いです。特に前田裕二さんはシャープペンシル付きなので、実質的に五色とも言えます。

これがどうしてポイントになるかというと、ボールペンのボディ(軸)の太さに反映される為です。

我が家の10歳児のMikanお嬢様は、同じようなボールペンを使っていますが、太過ぎて扱いにくいと愚痴をこぼしています。(それでも多色は便利なようで使い続けています。ちなみに某イベントの展示場で配られた販促グッズです)

過去に記事を書きましたが、私(身長171cmで指先は短い)でもこのボールペンを快適に書くことが出来ません。これを快適に利用できるのは、前田裕二さんのように推定身長170cm後半を越える「高身長」な人に限定されるのではないでしょうか。

そういえば私の現在の上司も四色ボールペンを使用していますが、身長は170cm後半以上です。

しかしBic四色ボールペンは頑張っていて、ちょうど良い太さの範囲内に収まっています。これが前述した「驚異の書きやすさ」にも影響しています。

齋藤孝先生は、私よりも小柄な160cm前半とのことです。指先の長さは身長がダイレクトに影響しないと言っても、それなりに短いと考えても良いでしょう。

ここらへんが二人の利用できる筆記具の違いとなって表れ、万人向けにはBicボールペンのサイズが受け入れられて来たというところでしょうか。

まとめ (利用者の満足)

ともかく今まで「快適な書きやすさ」を求めて高級ボールペンや替え芯を試行錯誤して来ましたが、このBicボールペンは盲点でした。

高級筆記具には雰囲気があって、やる気を引き出してくれます。しかしBigボールペンであっても、利用者の主観によって「人生の重み」などが加われば、やる気を引き出してくれるようになります。

大切なのは、その筆記具を使って「どのような成果を出したか」です。使ってこそナンボの筆記具です。少なくとも私は筆記具を道具と認識しており、単なる装飾品とは認識していません。

それにしても長く大切に利用されるBigオレンジボールペンでした。2019年4月12時点で父親は術後経過も良好であり、いろいろな意味で病院スタッフの方々には大変感謝しています。

それでは、また。

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