[湘南日記] お母さんがコロナ陽性になったジェシカとアンディ、家庭内感染から逃げ切る

これは米国に在住している知り合いから聞いた話である。

ジェシカとアンディは、シリコンバレーに在住する姉と弟だ。我が家のお嬢様と同じ年頃である。
ご両親は離婚をして、母親がシングルマザーで頑張っていたのだけど、とうとう先月、その母親もコロナ陽性になってしまった。
その感染隔離期間中、主婦がわりをつとめたジェシカちゃんから、料理の写真が友人の元にちょくちょく送られるようになった。

母親は職場結婚だったので友人は両親と面識があるけれども、父親は新しい家族を持っている。生まれたばかりの赤ん坊や、妊娠中の奥さんもいる。
濃厚接触者となったジェシカとアンディは、お母さんと過ごさなければならなくなった。

僕は最近の米国にはご無沙汰だけれども、今のマクドナルドはデリバリーをやっているのだろうか。
ともかくお母さんは陽性が判明したと同時に、自分の部屋にこもった。自主隔離に入ったのである。
(仕事人間だから、もともと自分の部屋にこもる傾向もあったかもしれない)
トイレに行く以外は部屋から出なかったという。
僕が紹介したコロナ対応医師も使用する最強マスク、N95を装着し、家族全員が接触しない生活を心掛けた。
ちなみに米国では政府もN95を推奨しているけれども、医療従事者は陽性者のN95マスク装着を推奨していない。密閉度が高くて酸素を取り入れる能力が落ちるので、血中酸素濃度が下がりがちな陽性者が着用するには適していないのだ。
(前に装着したまま全力ダッシュした経験があるけれども、500mで呼吸困難になってしまった)

ともかくジェシカちゃんが食事を作り、お母さんの部屋の前に料理を置き、食堂やリビングで交流を持たない生活を続けたのだという。
そこで大きな役割を果たしたのが「マスク」だった。
そしてジェシカちゃん曰く、「常に部屋を換気しておくことを心掛けました」とのことだった。これが大きな効果を発揮することになったらしい。
彼女たちが住むシリコンバレーはロサンゼルスほどではないけれども、同じカルフォルニア州の沿岸沿いなので気候温暖だ。
こういったラッキーな要素もあったらしい。

その結果、お母さんの陽性が判明してから三週間たった今、ジェシカとアンディは日々の抗原検査で陰性を続けている。


(写真はイメージで、我が家のお嬢様が作成したものです)

お母さんは10日ほど陽性が続いたという。
僕の周囲でもオミクロン陽性者は結構長く引きずっている人が多い。
症状が軽くても、嗅覚、味覚が戻らないと後遺症に悩んでいる人も少なくない。
発熱はするし、在宅勤務が続いているせいか、仕事のアウトプットが落ちる人も多い。
(その分、元気な我々の仕事が増えるんですよね… ま、困った時はお互いさまだ)
中には食事の好みが変わってしまったり、心臓の脈拍に異常な変化が出てランニングが今までのようにできなくなった人、体調が戻らない人など、さまざまな後遺症を聞く。

ぼくが知遇をえたTwitterの先生などは「風邪と変わらないという思い込みは危険で、後遺症で思いもよらない事例が出ている。インフルエンザとも違うし、新しい新種の病気にかかった思って注意してほしい」と忠告していた。
「風邪に過ぎなかった」と言い切っていた三十代の若者が、体調が元に戻り切らず、一か月以上も会社を休んでいる者もいる。
某課長などは、「オミクロンは軽症というのを信じすぎた」と反省している。
子供の友達にしても、中学二年生だけれどもオミクロン未接種だったせいか、40度を超える発熱になって入院騒ぎとなった。

ジェシカのお母さんも、従来型のワクチンを三回接種しており、数日で陰性になると思っていたがなかなか回復せず、結局、10日ほど、それなりに高い熱に悩まされることになったとのことだ。
(オミクロンだと鼻かぜ程度が多いとも聞くし、やはり政府の全員オミクロン接収推奨は的確な判断だったというところなのだろうか)

ともかくそんな中、ジェシカの活躍は大きかった。
写真掲載の許可は得られなかったのでお見せできないのは残念だけれども、家族への会いにあふれていた。
我が家のお嬢さんと同い年くらいの少女が家族を支えているけなげな姿に目がしらが熱くなってくる。
弟のため、そして母親のため、ジェシカは一生懸命に頑張った。
ジェシカにとって、今回の経験は大きな意味があったようだ。
自分の活躍が家族を支えたのだから、これは素晴らしい実戦経験でもあった。

お母さんが陰性になり、10日ほど過ぎたとのことだが、姉弟の2人は陰性のままだと聞いている。
陽性であることが分かったら、徹底的に部屋内に引きこもって動線確保すること。
風の道を作り、家の換気を徹底すること。
これから冬が本格化する日本では難しいけれども、これらが家庭内感染を防ぐ、最大の武器になる。せめて24時間換気は「強」に設定しておきたい。

そういえばインフルエンザに関していうと、実は僕は数年ぶりにワクチン接種した。
それまでは何かあったらマスクを装着し、手洗いを徹底的にやるだけで大丈夫だったのだ。
(もともと僕はアレルギーがひどく、数年前から常時マスク装着で生活している)

やはりマスクをすることと、こまめな手洗いが大切だということだろうか。

それでは今回は、この辺で。ではまた。

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記事作成:小野谷静