[湘南日記] 難事件を解決したら、犯人は自分だった時の哀しみ

さて正月から悩まされていたカラス襲来事件は、もはや過去の話になったと言えそうだ。今でも警戒を解くことは出来ないけれども、当マンションへ飛来するカラスは皆無となった。
万歳!
父ちゃんはやったぜ!
(ついでにWebサイトのデザイン変更もやったぜ!)

しかし… 残念ながら、良い話ばかりではない。

まずお袋さんのところで生じたトイレ洪水事件だけれども、なんと真犯人は自分だった。

思い返してみれば、日曜日の早朝に古新聞廃棄へ実家詣りすることに根を上げて、「そこまでやって古新聞をトイレットペーパーに交換する価値はあるのか? そもそもこのトイレットペーパー、良品では全くないんだよ」と話したことがあったのだ。
僕としては古新聞を回収業者へ出すことを止めて、清掃業者へ出すことを勧めたつもりだった。

しかし… 昭和一桁ではないけれども、すでに80歳を超える者としては、それは「もったいない」ということになったらしい。
それで僕にトイレットペーパーを “プレゼント” することを止めて、自分で使うことにしたということらしい。
で、もともと大量にトイレットペーパーを使う傾向のあったお袋さんなので、厚くて溶けにくいトイレットペーパーで “トイレ洪水事件” を発生させてしまったという訳だ。

ブログばかり書いて遊んでいるように見える僕だけれども、僕は僕なりに忙しい… と思っている。
子育てや勉強の面倒を見ながら、実家(介護付きマンション)へ介護に参上している。
それに加えて、日曜日は早朝から実家へ行くのは少々しんどい。
ちなみにお袋さんは介護付きマンションの食堂で食事をしており、僕は廊下に古新聞を置いたらば “タッチ・アンド・ゴー” で実家を立ち去っている。
新型コロナのために食堂では住民以外の食事は許可されていないから、お袋さんと僕が一緒に食事することはない。
僕は朝飯を食う暇もなく自宅を出て、古新聞を出して、帰宅してから食事する。
もちろん子供から「自分がちゃんと宿題をするように、やんわりとプレッシャーをかけてくれ」と言われている。のんびりと食事している暇などない。

そして既にお察しの方もいると思うけれども、実家へ赴くからには交通費が発生する。
たとえ電車で移動したとしても、それだけで上質のトイレットペーパーを8個は買えてしまう。
出発が遅くなってカーシェアリング・サービスを使った時など、80個は購入できてしまう。
電車の時は鉄道会社へお金を支払うだけで済むけれども、カーシェアリングの時は完全に “地球にやさしくないヤツ(エコでないヤツ)” となってしまう。
しかしお袋さんからすると、古新聞を回収業者へ出すことは、精神衛生的に大変良いことなのだ。
戦後を生きて来た者としては、”モッタイナイ” という感覚がつきまとうらしい。
(幾ら80歳を超えて認知力が落ちていても、このくらいは分かって欲しいんだけれどもなあ……)

しかし事情がどうあれ、今回のトイレ洪水事件の真犯人は僕なのだ!
もっと立ち回りを工夫すべきだったのだ。

しかし悲しんでいたからといって、SF小説のように「その事件は生じなかった世界線」へ現実を変えることはできない。
こうやって絶望を抱えながら、人は生きていくしかないのだ。
それにお嬢様のことがある。

実はお嬢様だけれども、宿泊型の英語研修へ行くことになっている。
そして驚いたことに、彼女はEクラスに割り当てられてしまった。

これは少年ジャンプの暗殺教室で主な舞台となった “エンドのEクラス” ではない。
名前の由来は明かされていないけれども、察するに “エキスパート” のEとか、”エリート” のEという意味らしい。大半が帰国子女か、もしくは英語の成績が抜群な優等生で占められている。
そして我が家のお嬢様は残念ながら、二学期の期末試験は平均点に達しなかった。
「なんで私がEクラスにされてしまったのだーっ!」と吠えている。

なんでも部屋割りも、バスケ部に所属してスポーツができる上に英語バリバリの子と同室になってしまったとのことだ。
三人部屋で一人だけ “ぼっち” という最悪の事態(ワースト・ケース・シナリオ:”Worst Case Scenario” は回避できたものの、風呂の中で鼻歌を歌える状況ではないらしい。
唯一の救いは、「殆ど話したことがないけど、とってもいい人だと感じている」ということだけらしい。
(ただし「私、実は日本語が得意でないから、英語で話そう」と云い出さない限り)

そんな訳で父ちゃんとしては、少しでも諭吉さんに羽根が生えていく英語研修を有意義なものとすべく、お嬢様を英語特訓コースへ誘うのであった。
一応このような状況を想定して準備していた新基本英文700選を進めると同時に、まず英会話に耳を少しでも慣らそうと考えている。

ちなみにディクテーションは学校でもやっているけれども、こういう時に必要となるのは「ネイティブの英語をなんとなく察することのできる英語慣れ」だと思っている。
そこでお嬢様と相談して、映画バイオハザードを少しずつ見ることにした。

僕はハリポタあたりを考えたけれども、お嬢様としては “ゲーム” 的な視点で物事を進めたいとのことだ。
それで今朝も悲鳴を上げながら、バイオハザード冒頭部分を10分ほど一緒に観た。

もちろん僕が日常会話を英語へ切り替えても良いけれども、残念ながらお嬢様の英会話能力は “My name is …… ” レベルだ。
試しに強引に英語へ切り替えてみたけれども、三分で「お願いだから止めて欲しいよー」と泣きつかれしまった。あまり無理強いをすると僕みたいにトラウマになってしまうから、日常会話を英語へ切り替えるのは諦めることにした。

ただし僕も新基本英文700選とバイオハザードだけに頼るつもりはない。
お嬢様はFGOというゲームの “ロードエルメロイII世の事件簿” に興味を持っているので、Wikipediaを一緒に勉強してみようかと考えている。

それからニア・オートマタというアニメを見ていたので、紹介動画を観て貰おうかと考えている。幸運なことに、Youtubeにアニプレックスの米国チャンネル(Aniplex USA)があることを発見した。

世間では共通テストの時期だけれども、いずれ我が家も参戦することになる。
大学入試というのは学校の勉強と違って「このレベルまで達すればオッケー」というものではない。各大学の定員は決まっており、イス取りゲームで勝ち残る必要がある。

そんな時になっても慌てないように、初めての英語研修ということもあって、父ちゃんの負荷はますます増大することになるのであった。
今年は長編ミステリーを書いてみたいのだけれども、いっそ今回の英語研修をネタに何か書けないか考えてみることにしようか。
(駄作でも短編は書けるようになったけど、やはり中編や長編は未知の世界だ。さてさてどうやって挑戦したものか)

それでは今回は、この辺で。ではまた。

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記事作成:小野谷静